犬と猫の歯医者さん

診察の流れ
口臭

犬は食後20分から歯の表面に汚れが付着し、6~24時間かけて歯垢・プラークになります。この歯垢が石灰化して歯石になるのにわずか3~5日です。
歯石とは、歯垢が石灰化したものです。歯の表面に歯石が付着する事で、ばい菌が増えやすい環境が整います。このばい菌が口臭の原因となります。よって歯石が付いた口の中がばい菌だらけと言う事になります。

歯周病

3歳以上の犬・猫80%が歯周病にかかっていると言われています。
歯周病には、歯肉炎と歯周炎が有ります。歯肉炎は、歯面に歯垢・プラークが付着して起こります。適切な治療と予防によって、歯肉炎は管理ができます。しかし歯周炎に進行してしまうと、歯を支える歯槽骨や歯根膜が破壊され最悪の場合、歯を失います。まれではありますが、菌血症により心臓・肝臓・腎臓などの臓器に障害を起こす事もあります。当院では、歯科レントゲンを撮影し、口腔内の状況に応じた適切な治療を行なっております。

顔の腫れ

根尖周囲病巣(眼下窩膿瘍)

眼の下が腫れてきた、これは歯科疾患による臼歯の根尖膿瘍が原因になっている場合が大半です。抗生物質を飲むと一旦症状は引きますが、原因の歯を抜歯又は根管治療をしなければ再発します。

腫瘍

口臭が強くなり、顔が腫れて来た場合は腫瘍の可能性が有ります。

顎嚢胞

歯の本数が足りない場合、歯が歯茎の中に隠れている場合が有ります。
この場合レントゲン・CTで確認して抜歯処置を行います。

歯の折れ
・出血

歯から出血(露髄)が出ている場合と出ていない場合とで処置が異なります。
歯が折れても出血が無い場合は歯を補強します、歯が折れて出血している場合や顔が腫れた場合は、飼い主さんと相談の上、抜歯又は歯を保存する場合は、神経を抜く(歯内治療)を行なっています。

う蝕
(虫歯)

犬では、非常に珍しいものです。発見が早ければ歯を残せますが、歯科処置時に見つかった場合は抜歯になります。

乳歯が
抜けない

一般的には、6ヶ月前後で乳歯から永久歯に生え変わります。
特に小型犬(チワワ、プードルect)では、乳歯が抜けずに残っている(乳歯遺残)と歯周病の原因になる場合や、噛み合わせが悪く(不正咬合)なってしまいます。
これを防ぐためには、生後6ヶ月ぐらいの歯科検診が非常に重要となります。当院では、欠歯や埋伏歯を歯科レントゲンを撮影して、適切に診断・治療を行なっています。
不正咬合があった場合は、時期が遅くなると処置が難しくなります。

歯科矯正

当院では、犬の矯正処置を行なっております。犬歯が前に向いている場合や犬歯の噛み合わせが悪い場合(不正咬合)は、歯に器具を装着する事で矯正する事が可能です。

再生治療
(歯槽骨)

EMP(エムドゲインゲル)は、スウェーデンのビオラ社で開発されたブタ歯胚組織を使用した歯周組織再生用材料です。
歯石除去後に歯肉下に注入することで歯周組織が再生します。

猫の
口内炎

猫で食欲が無くなったり、食事をした際に痛がる仕草、口元が汚れていたり前足がよだれで汚れている場合は、口内炎が疑われます。
この場合、全臼歯抜歯を行い炎症が治るか経過を見ます。
もし炎症が完全に引かない場合には、犬歯を含む全顎抜歯を行います。

歯頚部
吸収病巣

特に猫で多く認められる病気です。初期には、歯頚部に限局(セメントエナメル境)して起こることが多い。
破歯細胞により、歯質が吸収され歯に穴が空いた様になります。
治療としては抜歯であるが、歯根の吸収が認められた場合は、歯をけずって終える場合があります。

若年性
歯周病

乳歯から永久歯への交換時期に始まる歯周病で若い猫に認められる病気です。
内科的な治療にはあまり反応がなく、歯周病の進行を防ぐには臼歯抜歯が適応となります。

犬と猫の歯科治療
1

完全予約制です。お気軽にお電話でご相談ください。

初診時は、カルテの作成などもありますので予約時間の20分~30分前にご来院ください。

2

診察

はじめにお口の診察を行います。症状・口腔内の状態に応じて歯科処置のご説明をさせて頂きます。
場合によっては、麻酔をかけずに顔のレントゲンを撮影させて頂く場合がございます。
視診やレントゲン検査の結果から、病状のご説明をさせて頂きます。

3

術前検査

処置日の1週間前にご来院頂き、血液検査や必要に応じてレントゲンや超音波検査をさせて頂きます。
検査で異常がなければ歯科処置日を決定いたします。

4

手術当日

簡単な問診と診察の後にお預かりいたします。
全身麻酔下にて口腔内レントゲン検査、プロシーディングを行い病状を診断し、処置の内容を決定いたします。
事前の診断よりも重症(抜歯本数が増える、犬歯を抜かなければいけない)の場合は、飼い主さんに直接お電話いたします。
抜歯処置は、痛みを伴いますので疼痛管理は実施しています。

5

退院

基本的には、当日にお返しいたします。(場合によっては1泊)お電話にてお迎えの時間を連絡いたします。
口腔内レントゲンを用いて処置内容をご説明し、写真にて処置前と処置後のお口の状態をご覧頂きます。処置後の管理を説明いたします。
処置当日は、絶食をして頂きます、水は大丈夫です。

6

1週間後に経過観察

デンタル・ホームケアについてご説明いたします。